会計士・監査とは

会計士の仕事内容についてご存知でしょうか?
身近に会計士がいる方以外はほとんどご存知ないかと思います。
小話ですが私自身も勉強を始めるまで知りませんでしたし、証券会社を辞める時に何人かに引き止められましたが、その方々も誰一人として会計士の仕事内容を知りませんでした。

自身の経験から学習前にこれから取得しようとする資格について知ることで学習効率が大きく上がると思いますのでこのページにてまとめさせていただきます。
特にAUDの学習時にはここを理解していないと辛いと思います。

企業(会社)には定期的に自社の営業成績を書類化して、開示する義務が法律で定められています。日本だけでなく米国を含めた全世界でです。
その開示された営業成績書類は誰が見るか、一般的には株主(その会社の株式を保有している人)や債権者(銀行など会社にお金を貸している人)が見ることが多いです。

皆さんが社長でしたらいかがでしょうか。良い営業成績なら開示したいし、悪い営業成績なら開示する事に引け目を感じたりしませんでしょうか。
これは昔からある問題で、不正会計と呼ばれるニュースの根本はこうした感情が原因となっている事がほとんどです。

皆さんが株主・債権者の立場でしたらいかがでしょうか。良い営業成績の会社にならお金を出資してもいいが、悪い営業成績の会社に自分のお金を出資したいとは思わないでしょう。
となると社長としては「もうちょっとだけ売上の数字を増やして書いておこう」とか「赤字額を小さく書いておこう」といった感情に陥りやすくなります。
そういった意味でこの営業成績書類は嘘が含まれやすい性質であり、嘘が含まれる可能性をゼロにする事はほぼ不可能です。
この問題に対して、「この会社が作成して開示しているこの営業成績書類をチェックしました!」と意見を言う事が会計士の仕事です。
会社の営業成績の良し悪しに関わらず、「この営業成績書類の内容は正しい(もしくは正しくない)です!」と言う事が会計士の仕事です。

当たり前と言えば当たり前なのですが、意外と知られていない話です。
私自身、会社が営業成績書類を開示している事は知っていましたが、会計士の仕事はその営業成績の書類化、つまり作成が会計士の仕事だと誤解していました。
会計士は会社の営業成績書類を作成しません(一部する時もありますが、これは作成Preparationと呼ばれる仕事で監査Auditでは一切作成しません)

ここが分かっておらず初学時にはとても苦労しました。
予備校の教材もある種知っていて当然でしょう?というスタンスだったので理解に時間がかかりました。

このページを見られている初学者の方は是非、太字部分を覚えておいて下さい。

もう一つ小話です。
日本の公認会計士は試験合格後に監査法人に入所し、実務経験を積み、資格を取得する流れが一般的です。
対して米国の公認会計士は大学の成績を中心にBig4と呼ばれる4大監査法人(Ernst&Young, Delloite Touche Tohmatsu, PwC, KPMG)に入所し、実務経験を先に積みます。
そしてマネージャー(一般事業会社でいうと課長あたりでしょうか)に昇格する為の要件の一つに米国公認会計士(USCPA)の全科目合格が含まれることが多いです。

つまり「優秀な大学を優秀な成績で卒業した優秀な人材が数年実務経験を積んだ後に取り組む試験」であることをお伝えしたいです。
これは特にAUDで顕著に表れると思います。
私は7度AUDの試験を受けましたが、予備校テキストの練習問題やWileyという洋書の練習問題、模擬試験を解きまくりました。
練習問題で言うと2,000問以上、模擬試験は5度受けました。
しかしながらはっきりと覚えているのは、本番の方が圧倒的に難しかったです。

少し大変そうな印象が付いたかと思いますが、正しい勉強方法を継続することで合格することは可能だと思っております。
当サイトを使用して効率の良い勉強を継続しましょう。

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