ミクロ経済学の基礎から記載していきます。
ミクロ経済学未学習、もしくは基本を忘れてしまったという方にはお役に立てるかと思います。
複数回に分けて記載します。1回目は需要と供給がテーマです。
ミクロ経済学とは
ミクロ経済学は仮想の世界で経済活動を営む人々に焦点を当てる学問です。
ミクロ(micro)は「小さな、極小の」という意味です。
対義語のマクロ(macro)は「大きい、巨大な」という意味です。
マクロ経済学では大きな観点からGDP等をテーマとして扱うことが多く、ミクロ経済学ではGDPと比較すると小さなテーマである人々の営業活動を見ることが多いです。
具体例が分かり易い分、私はミクロ経済学が好きでした。
2回受けた本試験でもミクロ経済学はよく出てきた事を覚えています。
その前にまずは大基本である「需要と供給」から解説します。
需要
人々の経済活動に焦点を当てるとき、自分がお金を使うとき貰うときを考えましょう。
需要とは「物が欲しい」という事です。
皆さんは何が欲しいですか。私はまず、日々の食べ物が欲しいですね。
それも高くなくて美味しい食べ物、いわゆるコスパがいい食べ物が欲しいです。
人によっては車や高級時計が欲しい方もいらっしゃるでしょう。
でもそれは今すぐ買えますか?「ボーナスが出たら」「給料が上がったら」買おうかなと計画される方が多いのではないかと思います。
と、このように日々の需要は具体的に考えやすいです。
ではこの図式を学問らしくグラフで表示するとどうなるでしょうか。
このようなグラフになります。
感覚的に分かる方もいらっしゃるかと思いますが、簡潔に解説します。
縦軸に価格、横軸に数量を取ります。
ちなみに米国公認会計士(USCPA)試験で登場するグラフは全て、
金額に関わる数値が縦軸
と覚えて下さい。これは試験テクニックです。
次にグラフの形を見て下さい。
需要曲線は右肩下がりの形ですね。
これは「価格が高いと数量が少なくなり」、「価格が安いと数量が多くなる」事を意味しています。
ティッシュペーパー切れそうだったから今日会社帰りに買って帰ろうかな、と思った時
近所のスーパーで5箱500円ならどうでしょうか。私は買わないか買っても最低限だけにとどめます。
近所の薬局で5箱200円で売っていたら?私なら買いだめします。
とこのように価格が高いと買いたくなくなり、価格が安いとたくさん買いたくなる。
まさに需要を示しているという事です。
供給
人々の経済活動に焦点を当てるとき、自分がお金を使うとき貰うときを考えましょう。
供給とは「物を売りたい」という事です。
皆さんは本業や、個人的なメルカリ等の利用時に物品をどのように売却したいでしょうか。
おそらく1円でも高く売りたいと考えるのではないでしょうか。
では需要と同様、この図式を学問らしくグラフで表示するとどうなるでしょうか。
このようなグラフになります。
感覚的に分かる方もいらっしゃるかと思いますが、簡潔に解説します。
需要曲線と同様、縦軸に価格、横軸に数量を取ります。
繰り返しになりますが金額に関わる数値が縦軸
と覚えて下さい。これは試験テクニックです。
次にグラフの形を見て下さい。
供給曲線は右肩上がりの形ですね。
これは「価格が高いと(売りたい)数量が多くなり」、「価格が安いと(売りたい)数量が少なくなる」事を意味しています。
市場均衡(Market Equilibrium)
需要と供給、2つの曲線を同時に表してみましょう。
需要曲線と供給曲線が交わる点(交点)が発生します。
経済学上、この交点の金額と数量が、需要と供給の一致となります。
市場均衡点は、Market equilibriumとも表現します。
需要のみが増加した時
需要のみが増加した時の関数の変化は以下のGIF動画を見て下さい。
新型コロナウイルスの流行時に、世間的にマスク需要が増加したケースが当てはまります。
需要価格・需要数量が増加するに伴い、新たなる市場均衡点は元の市場均衡点より価格・数量共に増加します。
高くてもいい!もっとマスクを売ってくれ!
という状況です。
需要のみが減少した時は上記GIFの逆の動きになります。
現実世界ではマスク騒動が落ち着き、価格・数量ともに安定しました。
もうマスクは足りてるからいらないや。安いけど必要な分はあるからいらない。
という状況が需要のみが減少する時の具体例になります。
供給のみが増加した時
供給のみが増加した時の関数の変化は以下のGIF動画を見て下さい。
新型コロナウイルスの流行時に外食する人が激減し、高級食材が余った結果、個人宅への宅配で安く売られるようになったケースが当てはまります。
供給数量が増加し、供給価格が下落します。余った商品は安くなる、を表しています。
この動きに伴い新たな市場均衡点は元の市場均衡点より価格減少・数量増加します。
高級食材がとても余っちゃった!安くするから皆買って!
という状況です。
供給のみが減少した時は上記GIFの逆の動きになります。
緊急事態宣言も明け、飲食店も営業できるようになり、一時期よりかは外食客が戻った結果、高級食材の供給量も元に戻ったというケースが当てはまります。
お客さんも戻ったし、伊勢海老や鮑を元の値段に戻しても売れそうだ。
という状況が供給のみが減少する具体例になります。
需要と供給、共に増加した時
需要と供給が共に増加した時の動きは以下のGIF動画を見て下さい。
動画では最後に需要曲線を極端に動かしています。
言いたいことは、「数量は必ず増加する」「価格は上下どちらもありえる」という事です。
マスク売ってくれ!
各家庭に2枚のマスクを配ります!
という実際の歴史がありましたが、アベノマスク配布直後でもマスク価格が急に暴落する事はなく、ジワジワ安くなっていきました。
上記動画で需要曲線を大きく右に動かす(需要曲線が大きく増加する)事、
マスクの例で例えると、「アベノマスク配りでも足りない!マスク売ってくれ!」という世の中の動きを表現しています。
需要増が大きいと価格は下がりにくい、という例ですね。
このページのまとめ
- 需要と供給は身近な例で考えやすい
- 米国公認会計士(USCPA)試験のグラフ、基本縦軸は金額絡み
- 需要が増えると数量・価格共に増加
- 需要が減ると数量・価格共に減少
- 供給が増えると数量増加、価格減少
- 供給が減ると数量減少、価格増加
- 需要供給共に増えると数量増加、価格はどちらもありえる
- 需要供給共に減ると数量減少、価格はどちらもありえる
- 迷ったらこのページのGIF動画の動きを思い出す
慣れない方はGIF動画を眺める事で、需給関数の動きの基本形を頭に入れて下さい。
この記事はここまでです。
次回の記事でお会いしましょう。