数式で見るGDP

BEC

国内総生産:GDPにてGDPの基礎事項を記載しました。
ここからは実際に試験問題としてよく出る数式でGDPを深堀します。

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総供給と総需要

試験に出るのは財市場のGDPです。
財市場の世界では自国の需要と供給により経済がバランスを取っています。

現実世界と違って、学問内の仮想世界の話です。
総供給の式について、作られるもの全て供給されるという仮定があるので式が成り立ちます。

総需要の式について、支出面からのGDPの式と同じです。
試験上あまり重要ではないですが、正確に言うとI(投資)に企業が産み出した在庫が含まれるか否かという違いがあります。

支出面からのGDPの式には在庫が含まれます。
GDPは生産物全てを含むからです。

一方、上記総需要の式には在庫は含まれません。
在庫=余り物は求められていない(需要がない)から余っているという理屈です。

上記総需要の式の下に日本語を補記しました。
初学者の方はややこしいアルファベットは一旦置いておいて下さい。

国民と企業を合わせた民間分、政府分、国内で生産された輸出分、から海外で生産された輸入分を引けば国内で生産された財の全てとなります。
国内総生産、の文字が表す通りですね。

また、経済学の基本として需要と供給が一致する点を均衡点と呼び、今後以下の状況を基本とする仮定が存在する事をご認識ください。

消費関数

支出面からのGDPの式と総需要の式に共通して登場するC
これはConsume(消費)の頭文字です。
そしてCは以下のように表せます。

私の初学時、アルファベットだけを見るとさっぱり分かりませんでした。
まずは日本語を見て下さい。

固定消費とは所得に関わらず必ず消費する分です。
食費、水道代、光熱費等をイメージして下さい。

変動消費とは所得の増加に比例して増加する消費の事です。
例えば給料が増えたら日々の晩酌を発泡酒からビールに変える、
ボーナスが出たらチェーン店のステーキではなく高級鉄板焼屋で高級肉ステーキを食べる、といった行動が該当します。

つまり上記式は、「消費とは生きていく上での必須消費と、余裕がある時の贅沢消費の合計である」という事を意味しています。

限界消費性向と限界貯蓄性向MPC & MPS

変動消費を深堀します。
c × Y = 変動消費
c = 限界消費性向、Y = 所得

所得は一般的な所得を意味します。
では限界消費性向とは何でしょうか。

経済学の参考書的な説明をすると、
「限界消費性向とは所得が1増加した時の消費の増加分のこと」

何だかよく分からないですね。

変動消費とは贅沢消費のことと記載しました。
贅沢消費とは、給料が増えた時に贅沢品に費やす消費分でした。
贅沢消費を縦軸、給料を横軸に取った時、その座標上に1次関数が作成されます。



例えば1,000円給料が増えた時に、200円贅沢消費が増える人物を想定してみましょう。
この時の限界消費性向は
200/1,000=0.2
となります。
所得に対する消費の割合を知りたいので、所得を分母にして消費を分子にします。

元の式に当てはめて確認しておきましょう。

c × Y = 0.2 × 1,000 = 200

この200円は増加分1,000円に対する贅沢消費の増加分ですね。

上記の説明で限界消費性向 c の基本を捉えました。
この真逆に当たるものが限界貯蓄性向 s(Marginal Propensity to Saving)であり、限界消費性向の逆数です。
式で表すと以下のようになります。

限界貯蓄性向 s(MPS)=1-c

今までを踏まえて、数式で示すGDPの中で最も基本的な形を示します。
前提として、民間のみが存在する世界となります。

上記1つ目の式は総需要の式から政府と海外要素を控除したもの、
2つ目の式は消費関数です。

上記1つ目の式は、総需要の式のCに消費関数を代入したもの、
YDがYになっているのは、当ページで説明した通り、
2つ目の式でYについてまとめ、
3つ目の式でY=の形に修正し、その次は(1-c)を s の表示にしています。

以上より

GDP=(基礎消費+投資)/ 限界貯蓄性向

という式が導けます。
これは非常に重要性が高いので覚えてください。

また、このページで記した数式の流れを理解し、自分で書けるようになればBEC経済学のマクロ経済学はまず合格点を取れると思います。

それ程この内容は重要になるので是非覚えてください。

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