米国の商慣習、製品受渡関連

米国公認会計士(USCPA)試験には米国の特定の商慣習が前提として試験に出てきます。
日本育ちの会計初学者であった私は当時、理解に少し時間がかかりました。この分野は問題を解いていくうちに自然に覚えられるとは思いますが、効率の良い学習を進めるためにはまとめたページがあった方が良いと思い、個人的に重要になりそうな箇所をまとめました。

FCA(Free Carrier)

予備校テキストや洋書参考書では出てきませんでしたが、私が受験した2018年5月から12月のFARでは頻出でした。
FOBの基本が理解できていれば何の問題もないのですが、頻出していたので記載しています。
売主の商品が運送業者に渡った時点で、買主に所有権が移ります。
ちなみに会計監査をしていると日本の会社では、この運送業者渡しを採用している会社が非常に多いです。

FOB shipping point

日本語にすると「船積地渡し条件」となります。
FOBはFree On Boardの略ですがこれ自体に本船渡し条件という意味があります。
商品売買において、売主が買主に商品を渡して買主が代金を支払う事で取引が成立するという一連の流れは何となくイメージ出来るかと思います。
ポイントは商品の所有権はどの段階で相手に移るか、という事です。
そしてFOB shipping pointでは売主の商品が船積地に到着した時点で、商品の所有権が買主に移動します。

FOB destination

日本語にすると「到着地渡し」になります。
売主の商品が買主の元に到着した時点で所有権が買主に移ります。
最も一般的にイメージしやすい商取引かと思います。(コンビニでコーヒーを買う、等はこれに当てはまりますね)
IFRSを採用している企業ではほとんどこのFOB destinationを採用しています。

ここまでの製品所有権移転の流れを図にすると以下のようになります。

COD(Cash on Delivery)

いわゆる代引きです。佐川急便の配送員が自宅に荷物を届けてくれた際に現金で支払う、ような図をイメージしてください。
重要性はありませんが、FARやBECの問題文に当たり前のようにCODと登場する事があります。
慣れてないと「え、CODって何!?」となってしまうので頭の片隅に入れておいてください。

2/20, net 40

数字は何でも構いません。
上記の読み方と意味が重要です。
「two persent twenty days, net forty」と読みます。
意味は売主が買主に対して「現金の受取は40日後まで待ちますよ、ただ、20日以内に支払ってくれた場合は現在の請求額から2%割引します」と言っています。
「3/10, net 15」これは「three percent ten days, net fifteen」ですね。意味は「現金の受取は15日後まで待ちますよ、ただ、10日以内に支払ってくれた場合は現在の請求額から3%割引します」となります。
これもFARやBECの問題文に当たり前に出ます。
日本人には馴染みの薄い表現なのでしっかりと覚えておきましょう。